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くをん(蓮)の日記

※個人の妄想です


魔導牧場ものがたり

拙作サラドロSSとミュージアム画です。あまりに長いので畳んで収録しています。



   ***

サラジュは学内の掲示板に目を留めた。
とある魔導牧場の求人募集――
夏季休暇の期間、住み込みの学生アルバイトを募集しているとの事である。
「此処でアルバイトするの?」
「えぇ――採用して頂けたら、ですが」
念入りにメモを取っている最中、不意に声を掛けられ、サラジュは驚きながらドロシーに答えた。
「住み込みで――だなんて……大丈夫?」
一国の王子が住み込みのアルバイト――と想像すると似つかわしくない気がして
ドロシーはつい気に懸けた。
「えぇ。学院の農場での実習も楽しかったですし、頑張れそうですよ」
魔導学院にも魔導農業科の為の農場がある。
魔法生物学科のサラジュにとっては少々専門外ではあるが
単位取得の為に魔導農業学の授業も取っていた。
一国の王子として育った自分は世間知らずな所がある。
一人の人間として自立する為には社会勉強が必要ではないか、
アルバイトをしてみたいとサラジュは思い立ち、魔法生物と関わりのある仕事であれば
遺憾無く力を発揮出来るであろうと意欲が湧いた。
「様々な経験を積んで、少しずつでも自分の殻を破っていきたいです。
 将来の為に――」
「将来の、ため――」
ドロシーの瞳を見据えてサラジュが呟き、熱く見詰め合ってしまうが――
「……あ、そろそろ午後の授業が始まりますね。急がないと――」
我に返り、慌ててふたりはその場を後にした。


早朝――
涼やかな高原の牧場にありながら、サラジュはアルバイトに初めて臨む緊張で熱くなっていた。
昂る心を落ち着かせようと、ふと来た道を見遣っていると――
「……ドロシー!?」
貴女も申し込んだとは聞いていない、言ってくれれば良かったのに――
と言わんばかりのサラジュの驚きぶりに、ドロシーはひとつ悪戯な笑みを浮かべて挨拶した。
「貴方を追いかけて来た訳じゃないわ。偶々よ」
と照れ隠しに釘を刺しながら
「偶々、貴方と同じ事をしてみたくなったの。将来の為に――」
ドロシーはサラジュの瞳を見据えて呟いた。
「将来の、ため――」
永久に共に咲き――添い遂げるという夢が現実となる予感を抱きながら
サラジュはドロシーと共に、初めてのアルバイトへと歩み出した。
「大丈夫――でしょうか」
「莫迦にしないで頂戴。甘やかされて育った“箱入りのお嬢様”だなんて、思われたくないわ」
「ふふ――貴女ならそう仰ると、思いました」


  
D「限定のアウドムラ生乳ソフトはいかが?」
S「ペガサスの背に乗りませんか? 私が手綱を牽きますので、大丈夫ですよ」
 (魔法の絨毯に乗って誘導します)
観光客をもてなすのも業務のひとつ。
D「あら、それは良いわね。では次の休憩時間にでも」
S「えぇ、どうそどうぞ。私もソフトクリームを味見させてください」
https://twitter.com/kuonraise/status/889853830984224769


「えぇっ!? あの巨大牛を世話するのですか!?
 踏み潰されないように、気を付けてくださいよ」(*'д'*)
北欧神話に登場する伝説の巨大牛、アウドムラを主に担当する事になったドロシー嬢。
家畜化されているとはいえ大丈夫だろうか?と
小動物を労わるような目でサラジュは心配するが――

 
ミュージアム→http://www.atgames.jp/atgames/museum/detail.do?albumId=457874

彼の心配を余所に、傀儡魔術を駆使してロデオの如くアウドムラを乗りこなしているドロシー嬢。
逞しい女性だと改めて思った、サラジュさんなのでした――


  
ペガサスが主な担当となったサラジュさんはバイト終盤、牧場代表としてペガサス競馬に出場。
さてレースの結果や如何に――?

   ***

以上、Altoroseさんのドロシー嬢をお借りしながら遊ばせていただきました。
夢が現実となるよう努力しているサラジュさんを書いておきたかったのでした(*'v'*)
中の人が序章しか書く力無く…肝心の本編は中途半端な小ネタ集という。
ペガサス騎乗の図は羽よりも後ろになるべきのようで
違和感ありまくりですが大目にみてください。